旅行者の心得
BLRAのホームページに、パブでの作法について旅行者に分かりやすく説明している部分があるので、要約しておきましょう。
原文
パブに関して、旅行者が知っておくべき20のこと
1 英国パブではウェイターはいません。カウンターに行き、飲み物を自分でテーブルまで運んできてください。
2 グループ全員ではなく、1人か2人がカウンターに行き、飲み物を買うようにしてください。
3 カウンターでオーダーを受けるには、ひたすら黙ってバーマンの注意をひいてください。そのときに、奇声を発したり、大げさに手招きする、などと言う無粋なことはしないように。
4 ひとりひとり飲み物を買うなら、ひとりひとり注文してください。グループで注文するならスタッフは合計の金額を出し、一度に払ってくれると判断します。
5 ほとんどの英国パブでは、飲み物を注文したときにその場ですぐ現金で支払います。
6 パブのカウンターの後ろにはたいてい20種くらいのビールがあります。多種のドラフトビール(タップのもの)、多少のボトルビール、それと缶ビールが少しだけ。黒いスタウトから、マイルド、ビター、そしてラガーまで。スコットランドではビターのことをHeavyまたは70と呼びます。(昔エールは70シリングだったため)
7 1パイントは568mlです。ハーフ、とはこの半分を指します。オーダーのときはただ「ハーフ・ア・ビター・プリーズ」とか「ハーフ・ア・ラガー・プリーズ」と言ってください。スコットランドや北アイルランドでは、何のハーフなのかをはっきりと告げる必要があります。「ハーフ」はウィスキーをも表すからです。
8 パブリカンやパースタッフにチップを渡してもかまいません。ただあなたが良識ある行動を取りたいのなら、むしろビールを買うことです。そのほうが本当に人間らしい、親しみやすい行動と言えるでしょう。
9 「バー」という言葉は、飲み物が給されるカウンター、あるいは、カウンターがあるどこかの部屋を指します。パブには「パブリック・バー」「ラウンジ・バー」「サルーン・バー」などと記された部屋があるでしょう。
10 英国パブのような場所は他にはありません。イギリスには6万1,000軒のパブがありますが、それぞれすべて異なり、そしてすべてが英国パブそのものなのです。あなたが、パブのどこを見るべきか、何を見るべきか知っていれば、理想のパブを見つけることができるでしょう。
11 パブの食事やスナックをオーダーする正しい方法などありません。あるパブはバーカウンターで注文を受けるし、あるパブは別の食事用のカウンターを設けています。しかし飲み物はバーカウンターで注文するのが普通です。
12 ラウンドバイイングRound-buyingは飲むときの交流方法です。ネイティブに取っては神聖なものでさえあります。それに背くのは、パブにおけるエチケット違反であるばかりでなく、いわば「異端」です。
13 もしその人がハーフパイントずつを大事に飲んでコストを抑えているなら、シャンペンなどの高い酒を頼むべきではありません。
14 とくに「子どもも歓迎」の表示がない限り、14歳以下の子どもが入っても大丈夫かどうかをカウンターで尋ねましょう。
15 パブは時間帯によって変わります。タウンセンターの静かな小さい「ツーリスト」パブは、あなたが昼間訪れたときと違って、夜は若者でにぎわっているかもしれません。
16 一般的にパブは午前11時まで(日曜日は12時まで)開店を認められていません。また夜11時過ぎ(日曜日は10時30分過ぎ)は飲み物を売ることができません。しかしすでに買った飲み物を飲み干すための20分はOKです。これはイングランドとウェールズでの話ですが、スコットランドでは、たいてい夜遅くまで開いています。
17 トイレはパブの客のためのものであり、公衆用ではありません。
18 多くのネイティブにとって、パブは第二の家です。なかには自宅よりも長い時間をパブで過ごす人もいます。
19 パブでのおしゃべりはすべてのパブにおいて、最もポピュラーな楽しみです。話す内容についての制限などありません。話し方の作法さえ気をつけていれば。
20 パブの常連客はどんなことに対しても、すぐ議論を始めます。これは単なるお遊びなのです。議論をするには、「物事を重大にとらえすぎてはいけない」という「パブの最初の決まりごとThe First Commandment of Pub Law」にもとずいたエチケットがあります。
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