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チェーン店と個人経営の見分け方
そのパブが、どこかのビール会社所有なのか、個人経営なのか、
これはイギリス人でも見分けられない。基本的な見分け方はあるが、それもあまり当てにならないこともある。
■看板から、どうやって見分けるか?■
それぞれのパブの看板や装飾を見て、「ここは個人経営だ」「ここはどこそこのビール会社の経営だ」と見分けられるようならば、相当なパブ道上級者と言っていいだろう。
たとえば、下の、二つの看板どちらが個人経営で、どちらがビール会社経営か分かるだろうか?
答えは下に。
A B C
答え 下段のCharkes Wellsは、このパブと契約をしているビール会社の名前。だからここでは基本的にはここの会社のビールをメインに置いている。
答え 下段のFree Houseとは、どこのビール会社にも属さない、個人経営であることを示す。ただし、かつてはFree House だったが、その後ビール会社と契約したようなところもある。
答え このように店名しか書いていないパブの場合、どちらの経営か判断がつかない。中に入って聞いてみるしかない。
たとえば、個人経営店のように見えるBは、実際は特定のビール会社の契約店であった。たとえイギリス人でも、看板からそのパブの経営母体を見分けることは困難だろう。
■パブの形態は3つ■
パブの形態は大きく分けて3つに分けられる。
1 タイドハウス
ビール会社が所有するパブ。直営している場合もあれば、テナント料や売上の何割かを徴収し、地元のマネージャーに経営を委託している場合もある。そこの会社のビールか、取引があるビールしか置くことができない。その会社に縛られる(Tied)ので、この名で呼ばれる。現在は、18世紀から19世紀にかけて、急激に普及し出し、現在は全体の7割程度がこの形態。
2 パブ会社直営店
ビール会社ではなく、パブグループ・パブカンパニーが経営する直営パブ。最近、増えてきて、2割程度と思われる。
3 個人経営店
どこにも属さない、個人経営のパブ。いわゆるフリーハウス。どのビールを置くかは自由なので、この名で呼ばれる。
現在、田舎のフリーハウスは1日に一軒つぶれていると言われている。10年ほど前はフリーハウスは全体の6割くらいだったが、今は1割程度で、今後さらに減っていく見通しだ。「うちが置くビールは俺が決める」というガンコ親父が減っているのだ。数で勝負、質より量のタイドハウスや直営店にはかなわないわけだ。
フリーハウスの経営が悪化したオーナーの中には、ビール会社のタイドハウスとなる人もいる。
ちょうど日本でひと昔前、酒屋さんなどが軒並み大手コンビニエンスストアのフランチャイズ店となったような現象だ。これはどのパブリカンも言っていたことだが、タイドハウスとして開業した方が、圧倒的にリスクが少ない。特に他の職業から転職してパブを経営する人は、ノウハウや自信を持っていないので、迷わず1や2を選ぶわけだ。
ロンドンは特にこの現象が加速しており、ほとんど個人経営店は残っていないと言われる。
私としては、雇われマネージャーが他の仕事がなく仕方なく経営しているようなパブより、「俺が選ぶビールが飲めないなら帰れ」(いまどきそんな高飛車な人はいないけどね。みな生き残りに必死だから)と言いそうなガンコ親父がいるパブを探してみてほしい。思い入れがある分、ビールがよく管理されていて、おいしいはずだ。
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