イギリスのビール会社事情
日本でも有名なバスBass,ギネスGuinnessのほかに、
イギリスにはどんなビール会社があるのか。
ビール市場は、日本ではナショナルブランドと、
その他地ビール各社の2段階だが、イギリスでは大きく分けて2段階、さらに細かく分けると3段階に分けられる。
1 ナショナル・ブランド
全英、あるいは国際規模のビール会社。あまりにも有名なバス、ギネスを筆頭にカールズバーグ・テトリーCarlesberg-Tetley、ファーキンFirkin、スコティッシュ・クーレッジScottish Courage、ウィットブレッドWhitbread などが代表的。これらが製造・販売するビールのシェアは全体の7割程度だ。これらのビール会社は実際にはここ数年で外国企業にビール醸造の経営権を売却しており、大手の最後のとりでであったバス社とウィットブレッド社も2000年にベルギーのインターブリューInterbrew社にそれを譲った。ちなみに2001年2月、野村証券の現地法人・野村インターナショナルがバス社から約1000軒の売却を受けた結果、現在所有数一位のパブチェーン店となっている。(→野村インターナショナルのHPの該当部分(英文)→その大意)
イギリス特有の文化を体現する施設・パブの最大手が、日本から発する企業だなんて、意外な取り合わせでおもしろい。日本はもはや世界中にブイブイ言わせているんだなーと感動すら覚える。頑張れ! 野村! ミレニアムドームにもまた手を出すそうだが、今度はうまくやれよ!
▲バートン・オン・トレントのバス本社。博物館もあり、
見学できる。Photo N.NAKAYAMA(バス博物館訪問記)
2 インディペンデント・ブリュワリー
ナショナルブランドに対してレジョナル(Regional=地域の)ブランドとも呼ばれる。この中でもさらに二つに分かれ、まず、ロンドンのフュラーズFuller’s、ノッティンガムのハーディーズアンドハンソンズHardy's&Hanson's、ハンプシャーのゲイルズGale'sなど、歴史が長く、醸造規模も大きく、広範囲な流通経路を持っていて地元の州全体に普及しているもの。日本で言えば地ビールの中でも現地以外でもよく流通している「よなよなエール」や「銀河高原ビール」に相当する。
もう一つはさらに小規模のブリュワリーで、これらがつくるビールは本当にその地域でしか流通していない。まさに地ビールである。
▲ノッティンガムのハーディーズアンドハンソンズは約
250のタイドハウスを持つ大規模な地ビール会社。
ノッティンガムで知らない人はいない。
(地元ブリュワリー訪問記)