イギリスの日曜日にサンデーローストSunday roastは欠かせない。これはイギリスの代表的な家庭料理で、家族そろってゆっくりと楽しむ日曜日のお昼のご馳走のことである。この習慣は、その昔、領主が、週6日の激しい労働をした農民達を労う為、日曜日にエールと肉のローストを振る舞った事から始まった。現在は 教会の礼拝に行った後の午後2時か3時ごろ、家族全員が揃ってボリュームのあるローストを頂く。毎週サンデーローストをする家庭は少なくなったが、それでもイギリス人は皆、サンデーローストが大好きだ。
ローストの種類はビーフ、チキン、ラム又はポークがメインコースになり、ローストポテト、パースニプス(洋かぶ)のマッシュ、色々な種類の茹で野菜(人参、ブロッコリーなど)と一緒に頂く。伝統的なスタイルではヨークシャープディング(肉汁で焼いたシュークリームの皮のようなもの)に グレービーソース(肉汁のソース)をかけて、 肉に合わせた各々のソースと一緒に頂く(Sauceは ビーフにはHorseradish, チキンにはCranberry, ラムにはMint、ポークにはApple が一般的)。
「第2のリビングルーム」といわれるパブ。そして、教会の隣にはパブがあることが多いので、当然殆どのパブでサンデーローストを食べる事が出来る。私の働くパブでも日曜日には約90食分のローストが用意されている。ビーフとチキンが人気で、12時にオープンして2時間後には大抵売り切れている。今迄多数のパブでローストを食べてきたが、私のパブのローストはとても美味しく、毎週日曜日のランチにこれを頂く。私はチキンが好物なのだが4時過ぎのスタッフランチタイムまでチキンが残っている事は稀で、大抵ラムかポークになる。ああ、チキンが恋しい。