※Terryより
1月は、アキラさん多忙につき、掲載をお休みしました。今回、当初は「愉快なレギュラーたち」というテーマで書いてもらおうとお願いしましたが、意外な原稿が返ってきました。
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一般的にパブに来るいわゆる‘レギュラー’(Regular=常連)客には2通りあると思う。
たくさんの仲間とお気に入りのパブで一週間に一度か二度、近況報告がてらに集まってワイワイ楽しく過ごしている“準レギュラー客”、そして一方では友人も家族もなく、他に行く所も、かといってすることもなく、ただ一人きりで一日中飲んでいる客もいる。そしてそんな孤独な“(毎日くる)レギュラー客”が実に多いことに気づく。
パブで働いて二年になるが、こんな客を一日中見ているのはかなり辛いものがある。家族関係の破綻や家族を亡くした寂しさからアルコール依存症になり中々それから抜け出せない人、自殺願望の強い人(脅かしているわけではなく、本当にいるのですレギュラーの中に)対人関係が苦手で友達がいない等その理由は様々である。正直いってそんな彼らのネガティブで、甘えている愚痴を毎回聞いていると「しっかりしなさい!」と叱咤したくなる。こんな毎日レギュラー達には一日も早く立ち直って欲しいと、心から思わずにはいられない。
逆に準レギュラー客はたくましい。だから彼らとの会話は非常に楽しく、いろいろな面で私の刺激になる。彼らの私生活は充実しているので毎日お酒を飲んでいる暇も必要もないので一週間に一度か二度の準レギュラー客となる。
今回のテーマは題名とは裏腹になり、しんみりしてしまって申し訳ないのだが、実際の現場はレギュラー客になればなるほど、彼らは孤独で心に傷を負った人である場合が多いのが現実である。自分にはない家庭の温かさをパブに求めて毎日通ってくるのか。でもそもそもパブの発祥を考えれば、それこそがまさにパブに求められている要素なのかもしれない。
Comment(Terry)
なるほど、これには僕も考えさせられました。「パブ=いつでも来られる場所」であるだけに、パブを必要とする人は、こういうネガティブなケースの場合もあるんですね。しんみりついでに書きますが、常宿パブの前で、社内に排気ガスを入れて自殺した人がいると、そのパブのオーナーから聞いたことがあります。死に場所にそこを選んでしまうほど、心のよりどころだったんでしょうね。家族よりも、オーナーとか、他のレギュラーたちに真っ先に発見されたいと。
パブの店員たちも、アキラさんみたいにそういうレギュラーたちを受け止めなければいけないわけですね。コーヒー店の店員とは、そういう部分が違いますね。