それなりの理由があって
選んだベスト・パブ
ロンドンの有名パブはもう紹介されつくしているのでパスする。
カントリーパブの醍醐味は、何百年もの月日を感じる歴史と、
情熱を持って経営している経営者がいることだ。
ここでは、僕が今まで行ったことのある200以上(?もっとあるかも)のパブの中で、「次ももう一回行きたい」「他の人にも行ってみてほしい」と言えるベストパブを選んでみた。選定基準は、以下の3つだ。
1 「パブの原型」が垣間見られる
歴史が長く、地域社会の中心という役割をいまだに担っているか
2 オーナーの思い入れが強い
パブリカンにあこがれていた、ビールに思い入れがある、などの愛着があるか
3 白井哲也が好む
エールビールがうまく、雰囲気がいいかどうか
そもそもパブ選びの基準など3だけじゃないか、というかもしれないが、私の場合は、1と2をかなり重視したことで、客観的基準の割合を多くしたつもりだ。
選定方法は、「Good Beer Guide」などのパブのガイドブックや「Tales from the Counry Pub」などの現地の有名パブ紹介本を読んだり、在英の人から集めた情報をもとに、事前に電話調査などをして確かめ、オーナーやマネージャーとアポを取って話を聞く、という、慎重かつ手間暇を惜しまぬやり方で選んでいった。
とくに「オーナー(パブリカン、ランドロードともいう)の話を聞く」のに私はこだわった。どんなに見た目が歴史があったり、ビールがおいしくてもそこを見守る人がそのパブに思い入れがなければ、「生きたパブ」とは言えないからだ。
ロンドンや有名都市には、古さをウリにしたパブ、きらびやかなパブ、ビールがうまいパブ、人でごった返すパブなど「いいパブ」と言われるところが数えきれないほどある。しかしそれらは、観光都市で生き残っていく以上は、当たり前のことなのだ。そういう「都市パブ」のマネージャーの中に「夢が叶ってやっとパブリカンになれた」と感激しながら純粋な誇りを持って仕事をしている人は、一体どのくらいいるのだろうか。
本当の意味での「パブリカン」が経営する本物のパブ。自然に地元の人々が習慣として足を向け、管理が行き届いたビールをコンスタントに出し、地域公民館のカギを預かるほど信頼されているパブリカンがいる。私が探しているのはそういう所だ。
今回紹介するのは、絶対に日本のガイドブックでは紹介されていないが、そういう意味では英国では有名なところばかりである。
店名(州) 概要 1位 Barley Mow
(Derby)英国で「とっておきのカントリーパブ」的な本でよく紹介される古いパブ。あわやパブ消滅か、という危機を救った女主人が経営 2位 Nelson & Railway Inn
(Nottingham)「ローカル(地元の)パブ」の典型。地域に慕われる主人。チャリティにも多く貢献、経営にも意欲的に挑戦している 3位 The Chafford Arms
(Kent)ここも現地本で紹介されていた。代々がパブを経営していて、今の彼は4代目 4位 The Halfmoon
(East Sussex)「ハイキング中に立ち寄りたいカントリーパブ」的な本で紹介され、有名人も通ったパブ。オーナーの商才も光る 5位 The Cock inn
(Buckingham)父もパブを経営していた。現在息子がこのタイドハウスを開業。ビール管理においては、業界から認定をもらうほどの腕 6位 The White Hart
(Buckingham)今は少ないフリーハウス。料理の充実、B&Bの開業など、意欲的に経営を始めた 番外 Osborne
(Lathanna,Ireland)アイルランドの小村に古くからあるパブ。アイリッシュパブの原型を守りつづけている肝っ玉おばあちゃん ※それぞれのページに、写真が10点前後ずつあります.
以下、まだまだありますが、今はとりあえずこの辺で。